Journal of Amusement Mechanics

元TRPGプレイヤーがゲームシステムを中心に考察していきます。

TRPGの系譜5:Powers & Perils(1983)

Powers & Perils(未邦訳)

  • 通称:P&P、ペリル
  • 初版:1983年(アメリカ)
  • 開発者:Richard Snider
  • 世界観:ファンタジー
  • ワールド名:Perilous Lands
  • 通貨:Glod/Silver/Copper
  • 目的:強力な魔法を習得して危険な世界へ挑む
  • キャラクター:種族C/能力値R/最大能力値P/背景R/スキルP/装備P/魔法
  • パラメータ:能力値+魔法
  • 種族:人間/エルフ/フェアリー/ドワーフ
  • 職業:戦士/魔法使い/聖職者
  • 職業(スキル):建築家/醸造者/エンターテイナー/宝石商/陶芸家/奴隷/好色家など多数
  • 能力値:強さ/スタミナ/体格/器用/敏捷/知性/弁論/意思/共感/外見(10個)
  • ランダマイザー:1D100(パーセンテージロール)
  • 判定方法:下方判定
  • クリティカル:Deadly hit, Severe hit
  • ファンブル:Abysmal failure
  • 無限ロール:なし
  • 戦闘時間:12秒/Turn、3秒/Phase
  • 重量システム:あり(移動力の低下)
  • ヒーローポイント:なし
  • キーワード:Magic Users Rule/Combat Table
  • 参考文献:Powers & Perils 2nd edition (Editor: Wout Broere)
  • プレイ歴:あり
  • 同時期の作品:スパルタンX

日本語翻訳版が発売されていないが、有志による無料のルールブックが配布されており、誰でも利用できる。ただし、習得までにはかなりの労力を覚悟しなければいけない。多数の能力値、副能力値、それらの略称を理解し、行動判定でどの能力値を使用するかというルールを覚える必要がある。例えば、戦闘値_Combat Valueの説明は以下のように表記される:

戦闘値:全てのキャラクターはOffensive Combat Value (OCV)とDefensive Combat Value (DCV)を決定する。ここで、OCV=CEL+SB+StB, DCV=CEL+AB+DBである。

このような副能力値の設定が20種類近く存在しているのは特筆すべき点である。これらの習得を無事乗り越えた先には、別冊の魔法使い(Magic User)ルールの習得が待っている。本ルールブックには、プレイヤー(プレイヤーキャラクターではない)が魔法に関する十分な知識を有する必要があることが記載されている。dwarf74氏のプレイレポート(実際はキャラメイク)は全P&Pユーザーの共感?を呼ぶ内容だろう。しかし、唯一無二の個性を持つTRPGは、世界中(日本含む)にファンを持つことも確かである。