Journal of Amusement Mechanics

元TRPGプレイヤーがゲームシステムを中心に考察していきます。

能力値_Abilities

能力値_Abilities:キャラクターステータスのメカニクス

能力値はTRPGもしくはゲーム全般でプレイヤーキャラクターの個性を表現するためにしばしば用いられる数値である。例えば、知力が高く耐久力が低いキャラクターは典型的な魔法使いである、など数値からキャラクターの個性をイメージしやすい。また、行為判定においては最も関連の強い能力値を選択することで、ほぼ全ての行為の成功判定を処理できることから極めて汎用性が高く、その利便性からD&Dをはじめとする多くのTRPGのシステムに搭載されている。能力値は、キャラクターの個性の表現と行為判定処理の両方の要求を満たすことができるメリットがある。能力値は最も少ないもので3個、多いものでは10個以上の項目で表現される。多いほど複雑なシステムと言える。

代表的な能力値について考察する。なお、採用率は国内外の主要TRPG31種類を分析し、それぞれの能力値が使用されている割合を示した。数値が高いほど採用頻度が高いことを示す。

  1. 知性 _Interigence/ INT:頭の良さや知識量を表す。知力/理知/理性/魔力を含む。魔法使いは膨大な知識が必要であることから必須の能力となることが多い。採用率は91%で最も汎用的な能力値と言える。属性はMental-Dynamic。
  2. 体力_Constittion/ CON:身体の頑強さを表す。耐久力/スタミナ/肉体/タフネスを含む。防御力やHit Pointと関連付けされることが多い。類似能力値に体格_Sizeがある。採用率は87%。属性はPhysical-Static。
  3. 精神_POWER/ POW:精神的な強さ、タフさを表す。意思/判断力/集中力を含む。魔法に対する抵抗力と関連することが多い。採用率は68%。属性はMental-Static。
  4. 筋力_Strength/ STR:力の強さや腕力を表す。Strengthの和訳に体力が当てられているケースも多いが、その場合は体力/耐久力のように区別される。物理攻撃力に直結することが多い。採用率は65%。属性はPhysical-Dynamic。
  5. 器用_Dexterity/ DEX:手先の器用さや道具の扱いの巧みさを表す。テクニックを含む。Dexterityの和訳に敏捷が当てられているケースも多いため、定義は曖昧な部分もあるが、器用は手、敏捷は足のイメージが強い。物理攻撃の命中判定に影響することが多い。採用率は61%。属性はPhysical-Dynamic。
  6. 敏捷_Agility/ AGI:身のこなしの俊敏さや足の速さを表す。反射/俊敏性を含む。イニシアチブや移動距離、攻撃の回避判定に影響することが多い。採用率は61%。属性はPhysical-Dynamic。
  7. 魅力_Charisma/ CHR:人格、弁論、自信などによって他者に影響を与える能力を表す。ルックス/外見_Appearanceを含む。交渉時や一部の魔法の効果に影響を及ぼす。採用率は39%。属性はNeutral-Dynamic。
  8. 幸運_Luck/ LUK:その名の通り持って生まれた運の良さを表す。厳密な意味で能力値と呼んで良いかは議論が分かれるかもしれないが、冒険には幸運に身を委ねるしかなすすべがない場面が割とよくある。採用率は35%。属性はNeutral-Neutral。