Journal of Amusement Mechanics

元TRPGプレイヤーがゲームシステムを中心に考察していきます。

真・女神転生TRPG覚醒篇(1998)

TRPGの系譜:真・女神転生TRPG覚醒篇

  • 通称:no data
  • 初版:1993年(真・女神転生RPG基本システム)→1998年(日本)
  • 開発者:朱鷺田祐介/鈴木一也
  • 世界観:現代伝奇アクション
  • ワールド名:no data
  • 通貨:円
  • 目的:CPUを使った悪魔召喚を行うデビルサマナーとなり復活した悪魔や敵対デビルサマナーと戦う
  • キャラメイク:系統C/特性値R/不利な特徴・背景情報P/特技P/装備P/宿命P
  • パラメータ:特性値+特技+装備+覚醒段階
  • 種族:人間
  • 職業(系統):ハイテク/格闘/魔界魔法/カルトマジック/超能力
  • 能力値:強さ/耐久力/器用さ/敏捷性/直観/魔力/精神力/知力/魅力/加護(10種)
  • リソース:HP/MP/命運
  • ランダマイザー:1D100
  • 判定方法:下方判定
  • クリティカル:ゾロ目で成功/00は常に大成功
  • ファンブル:ゾロ目で失敗/99は常に大失敗
  • 無限ロール:なし
  • 戦闘時間: 10秒/Turn
  • 重量システム:なし
  • ヒーローポイント:命運/攻撃無効・判定補正・威力上昇・ダイス振り直し・一部の特技使用・HP、MPの回復
  • キーワード:
    • 覚醒:PCは覚醒チェックに成功することで覚醒段階が上がり複数の系統の技能を使用できるようになる。
    • 宿命:PCが抱いている感情や人間関係、運命のしがらみなど。属性、恐怖症、トラウマ、人間関係、愛用の武器などがある。宿命が大きくなりすぎるとPCは制御不能となる。
    • 属性:ライトーダーク、ロウーカオスの二軸で表現されるPCの性質。
    • 背景情報:PCの様々な特殊設定。命運を消費することで獲得。師匠、愛用の車、秘密結社の一員、造魔などがある。
    • 仲魔:仲間となった悪魔。交渉により使役することが可能となる。信頼度チェック1D6で失敗するとCPU内に帰還する。複数の仲魔を合体することでより強力な悪魔にすることができる。
    • スワップダイス:出目が決まったあとで十の位と一の位を決める事が出来る。逆スワップ(常に大きい出目を十の位にする)もある。
  • 参考文献:真・女神転生TRPG覚醒篇(アスペクト刊)/TRPGが好きっ!.com
  • 同時期の作品:ブラックマトリクス

1986年発表の西谷史による小説デジタル・デビル・ストーリーの第一作「女神転生」を原作に持つコンピューターゲーム女神転生シリーズをモチーフとしたTRPG女神転生シリーズの特徴である仲魔、悪魔交渉、悪魔合体、属性などの要素がしっかりとシステムに反映されている。一般的なファンタジーTRPGではサブシステム的な位置づけの召喚システムが、女神転生ではメインメカニクスとして組み込まれているのが特徴。本作「覚醒」は1995年の「真・女神転生デビルサマナー」を再現しており、同作の敵ボスを含む悪魔や登場人物のキャラクターデータが基本ルールブックに掲載されている。

判定メカニクスはD10を2個使用したパーセンタイルロールだが、10の位と1の位のダイスをロールの後に交換できる「スワップダイス」システムに特徴があり、スワップスワップ禁止(あらかじめダイスの位を決めておく)・逆スワップ(常に大きい出目を10の位とする)の三段階のダイスロールを使い分けることによって、D&D第5版の有利不利システムのように、同じロールで難易度を調整することに成功している。